学生から社会人になり、多くの方は企業へ就職していますが、大抵の理由は生活を安定させたいと考えてのことだと思われます。
一方、企業側からすると、会社への利益貢献を求めていることから、給与や待遇については、一部の方へ偏ってしまう傾向にあります。
そのような狭間で会社勤めを続けていると、「このままでいいのか?」と自問自答する方も増えてくるのではないでしょうか。
もちろん、独立したり、起業・開業したりすることは簡単ではありませんが、可能性はないわけではありません。
独立・起業・開業にはどのようなものがあるのか、どう進めればいいのか、一緒に考えてみましょう。
独立・起業・開業の種類
独立および起業・開業は同じ意味合いで通用しますが、厳密に言うと、独立とは、経験や実績を伴った得意な分野で会社を立ち上げること。
起業・開業とは、経験や実績に関係なく好きな分野で会社を立ち上げること、へと分かれてきます。
もちろん、考え方に違いはありますが、会社を立ち上げる手段は同様となりますので、共通したものとして見ていくことにしましょう。
能力を活かした独立・起業・開業
一番分かりやすいのは、資格や免許を持っていることで、飲食店、学習塾、介護事務所、会計事務所、不動産会社、製作会社、ソフトウェア開発会社などが挙げられます。
資格や免許がなくとも、経験やノウハウをもとにしたものであれば、広告代理店などの仲介業者、コンサルタント会社などのビジネスサポート業者が挙げられます。
いずれも、個人でも仕事ができるものですので、個人事業主や小規模経営にも適しています。
経営に特化した独立・起業・開業
営業や交渉に長けた方は、経営で最も必要とされる利益管理へ敏感になれると言われています。
仕入れと販売の利ザヤはもちろんのこと、必要とされる人材や経費の確保、トラブル時の対処法など、どれも経営者的な手腕が求められるものばかりです。
ただし、外部との折衝に力を費やすことになりますので、社内を統括できる右腕的な存在の番頭役が必要となっています。
特に業種にこだわるようなものではなく、個人で営むというよりは、複数の従業員を構える会社と言えるでしょう。
フランチャイズ制度を利用した独立・起業・開業
コンビニエンスストアや飲食店、小売店、レンタル関連会社と、多彩なジャンルでフランチャイズ展開しているものを見かけます。
フランチャイズ制度とは、お店や商品のネームバリューを提供する代わりに、月額費用や売り上げの一部をマージンとして徴収するビジネスとなっています。
それ以外にも、店舗立地条件の調査、店舗オーナーとしての指導、開店にあたっての準備、従業員への教育など、経営に関する様々なサポートをしてくれます。
これらは無料というわけにいきませんので、ある程度の資金を持っている方が対象となってきます。
独立・起業・開業!決断前の注意点
自分に見合ったものが見つかったからと言って、すぐに独立・起業開業を考えるのはよくありません。
心構えや調査、準備しなければならないものがいくつもあるからです。
決断前に注意しておきたい点を挙げておきます。
最も大切な資金繰りを確認しておきましょう
会社を経営するうえで重要とされているのが、資金繰りです。
開業資金はもちろんですが、月々のキャッシュフローをショートさせないようにするには、貯蓄と融資(借入)が大切となってきます。
多くのビジネスでは、先に仕入れをして後から販売する形となっており、売り上げは後から付いてくることになりますので、仕入れに関するお金、経費として使用するお金を確保しておかなければなりません。
「今月の売り上げが入れば立て直せる」という苦しい状態により、多くのお店が廃業しているのが現状です。
廃業率の高い業種に注意しておきましょう
開業率の高い業種は、
2位 小売店業(コンビニエンスストアを含む)
3位 宿泊業
と言われています。
2020年のオリンピック効果も手伝って、ここ数年で訪日観光客が急増しており、こちらの業種が活性化している傾向にあります。
一方、廃業率の高い業種は、
2位 小売店業
3位 宿泊業
と、開業率と同じ順位となっています。
ビジネスチャンスという考えから、まさに開店の多さと閉店の多さが表裏一体となっているのです。
競合他社との差別化を考えておきましょう
人気があるにも関わらず、廃業率が高い理由として、競争レベルが激化していることが挙げられます。
少しでも競合他社よりも優位性がないと、生き残れない縮図となっているのです。
同じような商品であれば、サービスの質や価格で争わねばならず、薄利多売の状況に陥ってしまうようです。
人気のある業種は、成功するチャンスがある反面、差別化できる特徴がないとリスクが非常に高くなることを理解しておきましょう。
将来的な市場価値を想定しておきましょう
高齢化や少子化問題、IT化による社会問題など様々なテーマが掲げられています。
このような事象が進むと、現状は市場価値があるものでも、将来的には価値が薄れてしまうこともあり得ます。
例えば、高齢者が増えれば外で食事や買い物をする機会が減ってきますし、子供が少なくなれば教育現場の経営も難しくなってきます。
逆にIT化が進めば、人材を雇用する機会が減り、サービスの形態を見直す必要が出てくることになります。
市場価値に関しては、常にアンテナを張って対処するように心がけましょう。
独立・起業・開業のおすすめ
独立・起業・開業を進めるにあたり、前述にある種類によっては向き不向きがあります。
それぞれのタイプには、どのような方へおすすめできるのか、理由とともに見ていくことにしましょう。
能力を活かしたタイプの方へのおすすめ
個人のスキルで仕事をすることになりますので、小規模経営を考えている方に向いています。
仕事の選び方に独自性がある、納得のいく成果を挙げる等、こだわりを持って仕事に対処することができます。
作業時間や場所についても、自分の好きな形で経営できますので、自宅や賃貸マンションを会社代わりに利用する方も多くいらっしゃいます。
お店を構えるにあたっても、大勢の集客を望むというより、立地条件が悪くとも、リピート客の囲い込みを目指す傾向にありますので、開店の選択肢が広がります。
資金を安く抑えることができますので、すぐにでも独立・起業・開業したい方へおすすめします。
経営に特化したタイプの方へのおすすめ
複数の従業員を雇用することになりますので、一般的な会社経営を考えている方に向いています。
会社を立ち上げる動機として、優秀な人材がいるかにかかってきますので、それぞれの分野で活躍できる仲間を集める必要があります。
それと並行して、開業準備を進めることになり、開業や運転資金の確保、会社や雇用に関する規約、事務所の手配、社員の募集等、仲間と分担して作業することになります。
ビジネスアイディアを実現させるために、仲間との苦労をいとわず、時間がかかっても構わない考えで、独立・起業・開業したい方へおすすめします。
フランチャイズ制度を利用したタイプの方へのおすすめ
資金力とノウハウ習得を必要としますので、個人的な店舗経営を考えている方に向いています。
フランチャイズ経営の魅力の1つに、販売する商品の安定供給があり、仕入れに関する苦労はありません。
また、本部による経営者ならびに従業員への教育もしっかりしていますので、お客様とのトラブルを起こすことも少ないと言えるでしょう。
開店までに資金や時間を費やすことになりますが、安定した店舗経営を第一に、独立・起業・開業したい方へおすすめします。
独立・起業・開業のまとめ
最後に独立・起業・開業に関するまとめをします。
種類は3つに分かれており、能力を活かしたもの、経営に特化したもの、フランチャイズ制度を利用したものとなっています。
それぞれ、おすすめする内容が異なっていて、能力を活かしたものは、既に仕事としてのスキルを身につけていますので、すぐにも独立・起業・開業することが考えられます。
経営に特化したものは、仲間集めから始まり、会社設立までの準備に多忙を究めるため、独立・起業・開業には時間がかかります。
フランチャイズ制度を利用したものについては、資金がかかるものの、ノウハウを習得してしまえば本部からの支援を受けることができますので、安定した独立・起業・開業をおこうことができます。
ただし、注意点もたくさんあり、中でも資金繰りや競合他社との差別化に失敗すると、あっという間に廃業へ追い込まれてしまうリスクがあることを忘れないで下さい。

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