大学生と言えば、学業・サークル活動・アルバイト・恋愛の4つがテーマとしてよく取り上げられます。
大抵の学生は、この中で2つもしくは3つのテーマを選び、充実した学生生活を送るようで、その後は、就職活動を経て企業へ入ることになります。
しかしながら、これらのテーマとかけ離れた学生生活を送る方もいて、代表的な例では、起業を目指している方がいらっしゃいます。
大学生で起業へチャレンジしている方は、どのような業種を選ぶのか、成功するのか・失敗するのか、いくつか事例をピックアップして見ていくことにしましょう。
大学生の起業はどのような業種?
起業するにあたり、最も大切なことは、創業するための意志であり、起業後は、経営理念として公に発表することになります。
安易に、「お金を稼ぎたい」くらいに考えているようですと長続きはしません。
経営理念は、社会貢献へとつながることから、会社を評価される大事な要素となってきますので、こちらを参考に、自分の考えが如何に社会の役に立つのかまとめておきましょう。
経営理念がまとまったら、次に考えることは、資金・人脈・販売・アイデアを用意することになりますが、大学生の方にとっては準備期間が短いため、起業までたどり着けないケースが予想されます。
万全という状態ではなく、「自分の考えがどれくらい認めてもらえるのか」を把握すべく、アイデアのみを持って行動するケースがよくあります。
その内容を業種別に確認しておきましょう。
サービス系
古くからビジネスとして成り立っているのは、人材紹介・派遣です。
大学生を中心にアルバイトの人材を提供するのですが、大学が休みとなる週末や季節ごとの長期休暇は、多くの大学生を提供できることになります。
大手企業となっている人材派遣会社、求職支援会社の中には、大学生で起業した創業者が何人もいらっしゃいます。
また、共稼ぎの家族が増えた現代に適しているのは、宅配・ケータリングです。
共稼ぎで時間が合わなかったり、小さなお子さんがいらっしゃったりする家庭だと、なかなか外出できない事情もあるかと思われます。
逆に年配の方で、外出を敬遠しがちになる世代にも、ショッピングや外食気分を家庭に居ながら楽しむ手段として、よく利用されているようです。
アウトソーシング系
多くの企業が悩む点として、人件費が挙げられますが、安く抑えたい思いに応えるべく、学生を使った代行作業はいつの時代でもビジネスとして成り立っています。
紙ベースで収集した情報を電子化するデータ作成、市場調査を目的としたアンケート収集やモニター活動など、幅広く活用されています。
教育・学習系
大学生ならではのビジネスとして成り立っています。
学習塾や家庭教師は、大学受験に一番近い存在として指導することができます。
外国語を専攻しているのであれば、語学スクールを開講できる可能性もあります。
また、理工系など専門分野における学習に長けているのであれば、企業の研究部門や開発部門からの仕事依頼がくることもあります。
カルチャー系
大学生になると、自分の好きなものへ没頭できる時間を持つことができます。
ファッションや音楽など、興味を持っている方とのコミュニケーションを通じて、専用のショップを運営することが可能となります。
料理や雑貨など、創作することが好きな方であれば、商品の販売や教室を開くことが可能となります。
IT系
IT系は、IT環境を使用する側と提供する側に分かれてきます。
使用する側では、前述したビジネスアイデアをIT化することで、専用のサイトや動画配信が可能となり、世界中のユーザーを対象としたビジネスが可能となります。
一方、提供する側では、使用者に代わりIT環境を整備して運営したり、キュレーションやアフィリエイトを駆使したりして、新たなビジネスモデルを構築する機会が出てきます。
全てにおいて共通していることは、あまり資金をかけずに、いかにアイデアを実現していくかという点が伺えます。
いずれも、試行的観点から、起業を目指すという大学生らしいビジネスと言えるのではないでしょうか。
大学生の起業の失敗例
大学時代に起業した会社が、在学中に生き残れるケースは5%、卒業後も生き残れるケースは1%とも言われています。
かなり厳しい数字となっていますが、失敗する多くの場合、「既存のビジネスを真似てみただけ」という考えのようです。
少数ですが、自分オリジナルのビジネスで勝負している方もいらっしゃいますので、起業を成功させるためにも、反面教師として失敗するケースを確認しておきましょう。
仲がいいだけの友人とは組まない
起業を進めていくうえで、面倒なことや嫌がることでも協力してくれることもあり、気心が知れた友人に手伝ってもらえるほど有難いことはありません。
しかしながら、自分のビジネスアイデアへ共感していなければ、いつか離れてしまうことになりますで、強要するようなことは控えましょう。
その友人にも、自分なりの価値観があるわけですから、窮地に追い込まれた場合に、本当に親身になって協力してくれるのは、ビジネスアイデアを共有できる仲間しかいません。
お金儲けを最優先にしない
会社を経営するうえで、最も大事なことと言えば資金繰りです。
資金が枯渇してしまうようでは、いくらビジネスアイデアが素晴らしくても成立しません。
だからと言って、利益ばかり追い求めてしまうようでは、魅力的な会社を作ることは難しく、真っ当な経営はできなくなってしまいます。
資金繰りとは、どのようにお金を回すかということで、利益を確保するだけが方法ではありません。
こちらには資金繰りの方法をいくつか紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。
参考:資金調達で早い方法は?
競争化への準備を怠らない
起業した当初は、大学生ということもあって取引先ももの柔らかな対応をしてくれることでしょう。
しかしながら、ビジネスが順調になればなるほど、相手は一般の経営者として接してくることになります。
特に注意しなければならないのが、競合他社の存在で、自分オリジナルのビジネスアイデアだとしても、利益が見込まれると判断されれば、同じビジネスを始める会社が出てきます。
取引先も他社との比較をしてきますので、常に優位性を持って商談ができるよう、競争化に対応する手立てを考えておきましょう。
大学生の起業の成功例
起業を成功させた方に共通していることですが、あまり大きなことを考えず、商材も身近なもので、小さく展開できるものを選ぶ傾向にあります。
自分の考えに対して、小さな反応を確認しつつ、少しずつビジネスを広げていく考えだと思われますが、大学生らしい謙虚さを備えた方法と言えるでしょう。
そのような方に共通した考え方を確認しておきましょう。
大学生ならではのビジネスアイデアを考える
既にビジネスモデルが確立している仕組みを利用することは大切ですが、それを真似ても既得権があるケースが多く、到底、社会人に対抗することは難しいです。
自分達が社会人となり、どのようなものがあれば過ごしやすいのか、どうすれば社会貢献できるのかを考え、新たなビジネスモデルを生み出すようにしましょう。
ちょっとした利便性でも、大きなビジネスへ発展するケースは多々存在します。
企業インターンシップ制度を利用する
起業すれば社会人と同等の立場で仕事をしなければなりません。
アルバイトをしたからと言って、多少のビジネスマナーは身につくかもしれませんが、会社の仕組みまで習得できるわけではありません。
在学中であれば、企業インターンシップ制度を利用することをお勧めします。
企業インターンシップとは、一定期間企業で働くことができる(職業体験)制度のことで、実際に働くことで社員からアドバイスを受けたり、会社全般のノウハウを習得したりすることができます。
必要とあれば企業売却を検討する
もともとビジネスアイデアを前面に押し出して起業した経緯を考えると、経営に必要な 資金・人脈・販売面で立ちいかなくなることがあります。
可能な限り乗り越える努力は必要ですが、自分の経営スキルに未熟さを感じるようであれば、一旦退くという判断も必要となってきます。
会社を売却する場合、特に重要視したい点は経営理念に賛同してくれるかどうかで、単に利益が出るからと考えている企業は対象から外すようにしましょう。
売却で得た資金を使い、改めて起業する意志があるのであれば、創業者という肩書は残ることになりますので、会社の行く末を見守る義務があると考えておいて下さい。
まとめ
大学生で起業する場合の業種、失敗するケース・成功するケースについてまとめておきます。
業種を選ぶ傾向として、
・サービス系
・アウトソーシング系
・教育、学習系
・カルチャー系
・IT系
に分かれてきます。
古くからビジネスとして成り立っているのは、
・サービス系
・アウトソーシング系
・教育、学習系
が挙げられ、趣味や趣向が多様化した現代では、 カルチャー系に人気が集まっています。
また、これらの業種とIT系は密接な関係性があり、IT環境を使用する側では、メディア戦略として活用し、提供する側では、二次的な複合ビジネスを生み出すきっかけとなっています。
大学生で起業する場合に失敗となりうる要素には、
・仲がいいだけの友人とは組まない
・お金儲けを最優先にしない
・競争化への準備を怠らない
という点が挙げられます。
反対に、成功した方に共通した考え方として、
・大学生ならではのビジネスアイデアを考える
・企業インターンシップ制度を利用する
・必要とあらば企業売却を検討する
という点が挙げられます。
大学生で起業家になるとういうのは、並大抵のことではありませんが、誰からも教わることなく、自分で築き上げた成果には計り知れないものがあります。
自分にどれくらいの可能性があるのか、無理をしない範囲でチャレンジすることは、将来的にも良い経験になるのではないでしょうか。
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